「桧パネル」は岐阜県産の桧の挽き板を巾接ぎにした、無垢の桧の質感を活かした造作用集成材です。桧は、粘りがあり、狂いにくく、耐久性が高く、加工が容易で、日本人の好む芳香を放つ、最良の建築用材とされています。桧と言えば「木曽ヒノキ」「東濃ヒノキ」が有名です。
この地方は、柱に桧を多く用いてきました。
4方無地の柱を取るための枝打ちを行うこともありますが、節は木が育つ過程で枝を張った証拠。無地の桧板は美しいことに間違いありませんが、節のある板もまた味わいがあります。多種多様な価値観の中、スギ・カラマツと同様、戦後の拡大造林で植えられた桧もまた豊富に蓄積されています。弊社が扱う桧は、ブランド化されていない桧。敢えて製品名は「桧パネル」としています。また、柱や土台を製材した残りを桧パネルとすることで、資源の有効利用となります。一枚の挽き板は、比較的幅の広い板を使っていますので、幅広の一枚板のような味わいを感じていただけます。また、いわゆる集成材(フリー板)の様な、長手方向に繋ぐフィンガージョイント(FJ)は使っていませんので、4mの長さまで、自然な無垢の感じで御使用頂けます。
主な用途として、内部造作材として家具、テーブル天板、階段踏板として使用して頂いています。
桧パネル規格製品岐阜県産材で製作しております。
樹 種
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等級
(片面)
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寸 法 (㎜)
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価格(円/枚)
税込価格
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厚
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幅
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長
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桧
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特 一
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30 |
910 |
1820 |
27,324 |
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標準仕様
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樹種:桧(岐阜県産)
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人口乾燥(中温蒸気乾燥にて含水率15%以下)のラミナ材を使用
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寸法制限:厚(t)最小8mm、最大60mm巾(W)×長(L)1000×4000
または1200×2600の範囲内
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仕上げ:パテ処理/#150のサンダー仕上げ/無塗装
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その他:接着剤は、F☆☆☆☆対応製品(水性高分子イソシアネート系木材接着剤)を使用、パテは、F☆☆☆☆対応製品を使用
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FJ(フィンガージョイント)無し
パネルができるまで
伐出
山から原木を伐出します。チェンソーによる伐倒、高性能林業機械による造材、集材、運搬。安全と能率を追求しながらのチームワーク作業は、日々改善の繰り返しです。
先輩方が愛情を注いで育てた立木を伐らせて頂く。少しでも山林所有者へ利益を還元する事が役目です。立木1本1本を町で使われる姿を想像しながら作業は続きます。
製材
原木を大型鋸で製材していきます。当社の製材機は昭和46年から使用している帯鋸。原木一本一本を丁寧に製材していきます。節の出方等を様々な角度から視て、その木が一番有効に使われるように製材していきます。製材には、長年の経験と技術、木を見る眼が必要です。目的の用途に合わせて、芯持ちの構造材を取ったり、ラミナを挽いたりします。
ヒノキは床材・壁材または家具に使われるため、15mm、30mm、50mm等に製材します。
桟積み
製材した構造材や板は、厚さ毎に桟積みします。
桟積みは後工程にも影響しますので、丁寧な作業が必要です。
桟が揃っていると大変美しく見えます。
この後は、乾燥工程です
乾燥
天日乾燥に3〜4ヶ月程を要します。「表面が黒く日焼けしたら」が大体の目安。天乾だけでは、造作材として使うには含水率が充分ではないので、人工乾燥にかけます。人工乾燥の熱源は、木屑ボイラー(バイオマスボイラー)。製材端材や大鋸屑を燃料として燃やしているので環境に優しい。この工程で含水率を12%程に落とします。
含水率が高いと、接着不良、施工後の収縮等の問題が発生しますので、重要な工程です。
人工乾燥は、中温蒸気乾燥で行うことにより、桧が本来持っている色や艶、香りを損なわない様にしています。
木取り
桧パネルは、受注生産のため注文に応じて必要なサイズを無駄なく切り出します。
死節を避けたり、日割れを省いたりしながら、歩留まりの良い効率的な木取りが必要となります。
成形
モルダーで4面に鉋をかけ、ラミナ(挽き板)を作ります。
桧パネルの無垢の味わい出すために、なるべく幅広のラミナとしますので、ラミナ幅は75〜135mmが目安です。
モルダーにかけることで、前工程では見つけられなかった割れ、抜け節が現れますのでチェックして品質を確保します。
組み
桧パネルの品質を決定付ける最終工程です。色合い・節・木目をバランスよく組み合わせていきます。等級は、「上小」「特一」の二種類となっています。特注で「無地」を作ることもできます。ラミナを表・裏・表と隣同士を互い違いに組んでいきます。こうすることで、無垢材では避けて通れない木材自体の水分の吸収・排出による反りをある程度吸収することができます。
特注製品として、木表で揃えて組むこともありますが稀です。
接着
接着は、二人一組で、息の合った作業が必要です。
接着機は4面の回転式になっており、接着時間は一枚に付き約40分。1回転して取り外した面に、引き続き貼っていきます。
接着剤には、F☆☆☆☆の水性高分子-イソシアネート系木材接着剤を用いており、ホルムアルデヒド・可塑剤・トルエン・キシレンを使用していません。
パテ補修
木は生き物ですので、生節だけではなく、どうしても死節や節の割れが入ることがあります。桧パネルは、桧の節の色に合わせたパテ埋め処理をしています。
サンダー
接着・パテ補修工程が終わった桧パネルの仕上げ工程です。#150のワイドベルトサンダーで両面を仕上げます。サンダーの幅が1200mmありますので、桧パネルも1200mm巾まで作ることができます。この工程で、厚みを整えますので、現場ですぐの施工可能です。最終工程なので、更に慎重に扱い、一枚一枚を仕上げていきます。桧パネルは、全てが従業員の手作りです。細かな気配りで一枚一枚仕上がっています。
カット
パネルソーにて、端切りをし、注文寸法に整えます。
幅・長さのmm単位までの注文には対応しております。
出荷
エアークッションで梱包し、出荷します。小口注文に際しては、大手運送会社との契約により輸送コストを下げていますので、一枚からの注文にも対応しております。エアークッションには「活性フェロキサイド配合タイプ」と呼ばれる物を使用しています。これは、廃棄後の焼却でも、ダイオキシン生成元である物質を少なくする作用があるとされています。環境に優しい梱包を心掛けています。注文数に応じて、運送費用が変わってきますので、注文の都度見積もりさせて頂いてます。 自社トラックもありますので、運賃を比較してなるべく安くなる方法を取らせて頂いてます。
カットサンプル
桧パネル(特一)のカットサンプルは、厚み30㎜
桧パネルの魅力である年輪の細かさを香り、肌の美しさを、手にとってご覧下さい。
桧パネルは、『単層幅接ぎ集成材』です。サンプルを手に取ることで、施工のイメージが膨らむのではないでしょうか。
サンプルですので、節の数・大きさにはバラツキがございますのがご了承ください。